イーノさんイーノさん

今回はどうやったら通関士になれるか、ってことと、どういう時に資格が喪失するのかって流れをみてくで。

新人くん新人くん

せっかく通関士になれても資格が喪失してしまうこともあるんですか??

イーノさんイーノさん

それがケースによってはあるんよなー。世知辛く聞こえるよね、資格をとっても通関士になれるわけじゃないしちょっと特殊かもしれないね。

新人くん新人くん

そうですよね、特殊すぎてわかりにくいです。そこんとこどうか詳しくお願いします!!

今回は、通関業法で定められた、通関士のなり方や義務、資格喪失についてみていきたいとおもいます。

通関士の確認、義務、資格の喪失

通関業法では、通関士に関する次のようなことが定められています。

・どのようにして通関士になるか
・通関士の義務
・通関士の資格を喪失する場合

イーノさんイーノさん

順番にみていこうな。

通関士のなり方(通関士の確認の流れ)

通関士として働くためには、通関士試験に合格するだけではなく、次の過程を経る必要があります。

1)通関業者に就職し、通関部門に配属される
2)通関業者が税務大臣に通関士確認届を提出する
3)税務大臣が欠格事由に該当しないことを確認して、通関士証票を交付する

つまり、個人ではなく、「A社という通関業者に勤務しているBさん」として税関に登録されることで、公的に「通関士」になることができるのです。

3)の欠格事由は、通関業の許可の欠格事由と似ていて、「禁固以上の刑の執行が終わってから3年以内」などが該当します。

イーノさんイーノさん

欠格事由は前々回でも出てきたけど、資格を与える上でふさわしくないとされる行動や事柄のことな。

通関士の義務

通関業法には、通関士が守るべき義務なども定められています。

1)守秘義務:通関業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、または盗用してはならない
2)名義貸しの禁止:通関業務のために他人に名義を使用させてはならない
3)信用失墜行為の禁止:通関士としての信用または品位を害するような行為をしてはならない

このような義務があるのは、通関士は輸出入者の様々な機密情報を扱う立場にあるためです。通関業者と同じように、社会的な信用と厳格な法令順守が求められる立場であることを理解することが大切です。

イーノさんイーノさん

違反をすると財務大臣から懲戒処分を受けることがあるので要注意よ。

新人くん新人くん

通関業法って法律ですもんね!!法律は守らねば!!

通関士の資格の喪失

さて、通関士が資格を失うケースについてもみていきましょう。

「通関士」として税関に確認を受けている人が、資格を喪失するのは次の場合です。

① 通関業務に従事しないことになったとき
② 通関士としての欠格事由に該当することになったとき
(例:禁固以上の刑の執行を受けることになったとき)
③ 通関士試験の合格の決定が取り消されたとき
(例:試験における不正行為が発覚したとき)
④ 偽りその他の不正の手段により確認をうけたことが判明したとき
(例:欠格事由に該当するにも関わらず、該当しないと偽って税関へ届け出たことが分かったとき)

イーノさんイーノさん

②~④はめったにないけど、①は珍しいことではないねんな。

通関部署にいた通関士が経理部など別の部署へ異動し、通関業務を行わないことになれば通関士ではなくなります。ただし、これには次の補足点があります。

通関士の資格の喪失 (補足)

別の部署と通関部門を兼務して、通関業務にも従事するのであれば、引き続き「通関士」を名乗ることができます。

「資格の喪失」といっても、永久に通関士の資格を失うというわけではありません。再び通関業務に従事することになった場合や、他の通関業者へ転職した場合は、改めて通関士としての確認を受けることができます。

新人くん新人くん

通関業者に所属して「通関士」として登録すれば通関士。でも通関業務に従事しなくなると資格は喪失になっちゃうんですね。。。

イーノさんイーノさん

そやねん。ポイントは「通関業務に従事している間しか、通関士として名乗ることはできない」ということやな。

まとめ

今回の記事では、通関業法で定められた通関士のなり方、義務や資格を喪失するケースについてみていきました。「資格の喪失」と聞くと恐ろしいことのように聞こえますが、あくまで「通関業務に従事している間しか、通関士として名乗ることはできない」ということですのでご安心ください。

前回もお伝えしましたが、どのような背景や理由があるかを知ると、理解しやすくなりますのでぜひ意識してみてください。